絵本のお店、木馬館のこと

ふじたです
子どもたちが小さかった頃、大阪の上本町というところに「木馬館」という絵本の専門店がありました。
その頃は、近くの旭屋書店でも絵本は結構充実していたのですが、すぐ隣にナントカレンジャーとか、ポケモンの本がおいてあるので、子どもたちはそっちに目がいってしまいます。
そういう本は子どもたちに渡しっぱなしになってしまい、大人と子どもで楽しさを共有するということができません。
良質な絵本というのは、作家が必死になって創っています。
絵本の世界では超ベストセラー「ぐりとぐら」の、画家の山脇百合子さんはこの作品の主人公を描くために、ネズミの研究で知られる当時の国立科学博物館動物研究部長の今泉先生のところへ出向いて何十種類ものネズミの標本を見せてもらい、その中から一匹気に入ったものを選びだし、それをスケッチしたといいます。
そうした、本物を子どもたちに伝えようという意欲が、このシリーズ全作発行一千万部というモンスターを生み出したのでしょう。
中川りえこさん、山脇百合子さんが雑誌の対談で「最後の一滴まで絞り出して書いているから、『またつぎもがんばってください』なんて子どもから手紙が来ると、勘弁してって思っちゃう(笑)」と、おっしゃっていたのも納得です。
それだけすべてを注ぎ込んで絵本を創っているということでしょう。
木馬館には、オーナーさんのセレクトでそんな良質な絵本ばかりが集められていましたので、子どもがどの絵本を選んでくれても安心し手渡すことができました。
オーナーさんいわく、絵本をしっかりと読み聞かせている子どもは、どんどんと難しい文章、長い文章の本を聞けるようになってくるけれど、先に先に行かずに子どもの年齢に応じた絵本を読んであげなさいと。
実際に子どもとつきあっていると、もっと、もっとと難しい本を読んであげたくなります。
競争の激化は子どもたちにも影響を与え、少しでも早く文字を覚え、算数を覚え、英語を覚え・・・と、子育てが子どもの発達を無視して早送りになっているような気がします。
丁寧にじっくりと子どもの発達に応じた獲得をさせてあげるのが、情操という面でも理にかなった子育てだということです。
そんな木馬館も、子どもたちが小学校の高学年になる頃に閉店してしまいました。
じっくりと子どもと関われる親が減って、絵本への関心が薄れてきたということでしょうか。
寂しい限りです。
この、絵本をとおした子どもたちとの膨大な関わりのおかげでしょうか。
高校生になった子どもたち、今でもたわいのない話をしてくれます。
いっしょに買い物にもつきあってくれます。
スタジオの手伝いまでしてくれます。
親の思うようには育ってくれませんが、親を無視することはないようです。
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この投稿へのコメント

  1. Keiko said on 2012年1月24日 at 6:20 PM

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    はじめまして、こんにちは。
    木馬館のことを書いていらしたので、つい・・・。
    あの絵本のお店は、今思い出しても本当に温かな、ぬくもりのあるお店でしたよねp(^-^)q
    私も小さい頃から通っていた一人です。
    いつかあんな絵本のお店ができたらいいなあ・・・と、漠然と思うこの数年です。

  2. Studio_CLIMB! said on 2012年1月24日 at 7:15 PM

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    >Keikoさん
    古い記事を見つけていただいてありがとうございます。
    今、子どもたちはもう高校生と大学生。
    親の意に沿わないことをいろいろやらかしてくれますが、毎夜腕枕で読み聞かせたあの日々があるおかげで、子どもたちのことを大切に思える気持ちは変わりません。
    keikoさんのブログ長らくほったらかしでしたね。
    また、ちょくちょく更新してください。
    楽しみにしています。

  3. Keiko said on 2012年1月24日 at 7:59 PM

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    ながいことほったらかしてました(笑)
    お恥ずかしい・・・。
    ちょくちょく更新がんばります!

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