光のあやつり方
久々に「撮影の極意」を更新します。
今日は光の「質」についてです。
僕が下積み時代に一番興味を持っていた技術は、ライト、つまり光のあやつり方です。
その中でも一番基礎になるのは、光の方向と質です。
光の方向は、ライトを当てる位置ということですね。
では光の「質」とは何でしょう。
下の写真を見比べてください。
陶器
上の写真はプリザーブドフラワーをバスケットに詰めたものです。
メリハリのあるライトを当てて花の色を強調しています。
花びらは、若干透過性がありますので逆光気味に光を当てることで、花が持っている華やかさを演出しています。
下の写真は陶器の小物入れです。
あまり硬質な光を当てるとテカテカに光って安っぽくなるので、柔らかに包み込むような光で高級感を演出しています。
やわらかな光は発色が悪いので、手前からの補助光を強めにして彩色された部分の色を出しています。
テーブルに落ちている影を見ると、光質を変えていることが一目瞭然ですね。
硬質な光、やわらかな光とは、具体的にはどういうことでしょう?
ずばり、「見かけ上の光源面積」です。
太陽は見かけ上十円玉ぐらいの大きさに見えるので、光源面積としては極めて小さく硬質な光となります。
強い影がでますが、発色がよく、質感も強調します。
窓からのレースカーテン越しの光は、カーテンの大きさを光源面積とみなすことができるので、比較的大きくやわらかな光となります。
影がでないので、質感もなめらかに表現します。
しかし、発色が悪いので補助光が必要になる場合があります。
スタジオでは、それらを意図的に設計します。
では、何を基準に光の質を変えているのでしょう?
簡単に言うと、被写体のコントラストです。
ツヤツヤした被写体にはなめらかな柔らかい光、マットな被写体にはメリハリのある光を当てます。
革靴にはやわらかな光、スニーカーにはメリハリのある光です。
でも、革靴に当てる光をあまりにやわらかくしすぎると、質感がわからなくなる場合があります。
ゴムのように写る場合があるので、それぞれの商品を見ながら臨機応変に対応しなければなりません。
次回はライトの方向について書いてみたいと思います。
ライトの方向は、基本は逆光です。
なぜなら、私たちはじつは影を撮影しているのですから
次回、いつ書けるかわかりませんがお楽しみに・・・
ふじた
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