★スタジオライティングの設計についての考察(2)☆柔らかな光のライティング
【この記事はプロフォトグラファー向けです】
今回は柔らかな光を使った人物撮影のお話をします。
光質のことは以前のブログでも説明しましたが、見かけの光源面積が小さいと光が硬くなり逆に大きいと柔らかくなります。
見かけの光源面積というところがミソで直径1メートルのライトでも5mぐらい離すと硬い光になり、1mから当てると柔らかな光となります。
柔らかな光が必要なファッションモデルを使った商品撮影では、カメラから見切れるギリギリのところに2.4m四方ぐらいの大きな光源を作ります。
それぐらいのライトを作ると、モデルが商品を着たときに出るドレープが柔らかく表現されて、ちょっとした洋服の着皺なども気になりません。
柔らかな光のライティング
上の写真はモデルに当たっているライトはカメラの右側から1灯だけです。
光源の大きさは高さ3m×幅2mほどでモデルとの距離は1mぐらい、全身写真を撮ったときにカメラから見切れるギリギリに配置してあります。
肌の質感は滑らかに表現できて程よく影が残るようにカメラの左側からカポックで抑えてあります。
十分に柔らかな光でライティングしていますので、白のシャツも背景の白と分離して一体化していません。
背景と被写体を分離させるためにモデルの頭の上から背景に向けて背景専用のライトを入れています。
天井高のないスタジオならモデルの左右から1灯ずつ入れてもいいでしょう。
背景全体に満遍なく光を回したいので被写体を背景から十分に離します(3m以上)。
このライトの調節が難しく、あまり強いとレンズにハレーションが入り靄がかかったように写ります。
かといってしっかりと白を飛ばさないとシャツとの分離ができません。
この写真の背景は完全な白になっているためブログ記事の背景と境界がなくなっていると思います。
モニターが発色できる最大限の白になっています。
メリハリのある写真に仕上げるために大切なことはもう一つ、カメラに写っていないところをできるだけ黒くすることです。
スタジオの天井や壁などは黒にしてあります。
貸しスタジオと謳っているところでも低くて白い天井のところがありますが、そんな場所では光が乱反射して抜けの悪い靄った写真になります。
髪の毛や黒いパンツがしっかり黒になりません。
スタジオの天井はライトの光が届かないほど高い(5m以上)か黒にする必要があります。
ライトの光をすべて思うままに制御するというのはそういうことです。
意図しない光が回らないようにします。
大きな光源で柔らかな光を作ってもメリハリのある写真に仕上がるのはそのためです。
次回はモデルに硬い光を当てたライティングのことをお伝えします。
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