★スタジオライティングの設計についての考察(4)☆背景に奥行き感を出すライティング
【この記事はプロフォトグラファー向けです】
今回は背景に奥行き感を出すライティングのお話をします。
以前の記事、トップライトの1灯ライティングや硬い光のライティングでは1灯のライティングだったため背景は成り行きをコントロールしてライティングを完成させました。
柔らかな光のライティングでは、背景専用のライトを使い被写体との分離を目指しました。
白色以外の背景でも背景専用のライトを入れることで背景との分離感や奥行感を演出することができます。
背景に奥行感を出すライティング
左の写真はスポットライトで背景にハイライトを入れグラデーションをつけてあります。
同時にグロリオサの花びらのミステリアスなシルエットも強調しています。
モデルに当たるメインライトは左からなのでシャドウになる右側部分の背景にスポットの芯を持ってきます。
この背景用のライトでモデルとの分離と奥行を表現しています。
真ん中の写真は黒の衣装を身に纏い黒の背景で撮影しています。
モデルには右側からライトが当たっているのでそちら側は服の方が背景より明るく表現されて分離しています。
左側は服にライトが当たらず真っ黒になってしまうので、背景にスポットライトを入れて分離させています。
背景が明るくなりすぎないようにギリギリのラインを狙います。
モデルの顔の左に強い影が出ていますが、あえて抑えずにそのまま落としてあります、。
右のピンク背景の写真は背景専用のライトを使わず、1灯のライトだけでモデルと背景を分離させています。
背景紙の左側の白壁にライトをバウンスさせてモデルの正面に置いたカポックで光を顔に回しています。
モデルの顔の明るさと背景の明るさを目視で確認しながらライトの位置を微調整します。
撮影するときは背景紙に正対せず、少し斜めから背景の明るいところがモデルの後ろに来るように撮影します。
このライティングの弱点は背景とモデルが近いため背景の色がモデルに回り込むということです。
1灯のライトで背景をモデルより明るくする場合は必ず色の回り込みが起こります。
それを避けるためにはモデルと背景の距離を離して別々のライトにする必要があります。
ただ、簡易なライティング設計なので天井が低くても狭い場所でもできるため、大掛かりなセットを組めないような場合に便利です。
背景にグラデーションを作る場合は、ライトが入っているのがわからない程度にしておくほうがイマドキかもしれません。
グラデーションのコントラストがあまり強いと昭和の写真館のポートレートのようになります。
スタジオクライムでは照明設備はストロボを使用しています。
開業当時は4×5カメラでインテリア撮影をしていたため2400wsのストロボを3セット購入しましたが、35mmカメラのファッションフォトなら200wsもあれば十分です。
チャージスピードを早くしてたくさん撮影することになりますのでモノブロックでは故障が心配です。
1日数千枚の撮影が続くと安価なゼネレーターでは発熱に耐えきれずにバーストしたこともあります。
サンスターD-242に変えてからは安定した光量で気持ちよく仕事ができています。
次回はラインライトの事についてお伝えします。
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ふじた
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