★スタジオライティングの設計についての考察(6)☆ラインライトだけでアーティスティックに仕上げる


【この記事はプロフォトグラファー向けです】

今回はラインライトだけでアーティスティックに仕上げるというテーマです。

柔らかな光のライティング硬い光のライティング背景に奥行き感を出すライティングラインライトで立体感を演出では、被写体を照らすためのメインライトを1灯使っていましたが、トップライトの1灯ライティングでは被写体を直接照らすライトを使わずに影のコントロールだけで撮影しました。
今回も被写体を正面から照らすライトのないライティングをご紹介したいと思います。

ラインライトだけで撮影する
写真スタジオ撮影見本

左のバレエの写真はモデルに当たっているライトは左右奥からのスポットライトのみです。
背景紙には奥行き感を出すために中心部にスポットライトを入れています。
カメラ側からは大きめのバウンスボードでシャドウを押さえてあります。
ステージの照明を意識して、あえて足元にたくさん影が落ちるようにしています。

写真スタジオ撮影の様子
撮影後の記念写真、背景紙の上部左右からライトが入っているのが見える

真ん中のサックス奏者の写真は白背景に当てたライトがラインライトとして回り込むように設計しました。
ハレーションが入らないように背景はギリギリまで黒で締めてあります。
奥の左右の白壁にバウンスした光がわずかにモデルに回り込んで顔にラインライトを入れています。
顔の暗部はカメラ側から大きめのバウンスボードで起こしますがどれぐらいの明るさにするかは目視で調整します。

写真スタジオ撮影の様子
背景はカメラで見切れるギリギリまで黒ボードを入れる

右の写真は黒の背景の左右から、バウンスした比較的大きな光源でラインライトを作っています。
背景は漆黒にしたかったので光が回らないように黒ボードでライトを遮光しています。
サイドの白壁からモデルに回り込む光だけで撮影しました。
手前にはバウンスボードを入れずに黒をしっかりと締めました。

写真スタジオ撮影の様子
布の表現はアシスタントが撮影直前に放り投げる

いずれもモデルの正面、カメラ側からのライトはありません。
バウンスボードで影をコントロールして撮影しています。
カメラ正面に顔を向けるとシャドウになってしまうので、モデルにはカメラを見ないように指示し横顔を撮るようにします。
このライティングは顔を撮影するようなプロフィール写真などには適さずダンサーなど身体表現者のイメージ撮影に使います。
音楽表現者でも顔よりイメージで訴える写真には適しています。
また、身体の凹凸を強調するのでヌード撮影にも最適です。

さて、6回の連載でライティングの基本がお分かりいただけたでしょうか。
撮影したいものをライトで明るくするという考えには間違いはないのですが、明るくしたものには必ず影が付きます。
影がないと立体感を感じることができません。
ライトはできるだけシンプルにして、バウンスボードで代用できるようなら引き算をしていってください。
ライトで影を消そうとすると今度はそのライトの影が出て、その影を消すためにどんどんライトを増やさなければならないことになります。
究極、私たちは影を撮影しているとも言えるのですから、その影を大切にして美しく見えるように丁寧にコントロールしてください。

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